「新NISAが始まったけれど、成長投資枠って正直よくわからない…」
「ゴールドは安全資産って聞くけど、本当にNISAで買えるの?」
ここ数ヶ月、証券会社時代の元お客様や、マネーセラピー講座の受講生から、同じ質問を何度もいただいています。
制度は変わり、非課税は拡大し、選択肢は増えた。
けれど――
「何を選べば安心なのか」が、かえって見えづらくなった。
特にゴールドは、株やオルカンと違って“説明してくれる人が少ない資産”です。
10年間、証券会社で資産設計を担当してきた僕でも、最初は「どう伝えれば怖くないだろう」と悩みました。
でも、はっきり言えることがあります。
新NISAの成長投資枠は、ゴールドととても相性がいい。
なぜなら、金は「増やすための武器」ではなく、
人生の揺れをやわらげるクッションのような存在だからです。
今日は、新NISA成長投資枠でゴールドは買えるのか、
そしてSBI証券での具体的な買い方・積立・再投資の方法まで、専門用語を使わず、順番に解説します。
難しい話はしません。
数字よりも、心の余裕を残す投資の話をしましょう。
金は、“心の保険”。
その意味が、この記事を読み終えるころには、きっと腑に落ちるはずです。
新NISA成長投資枠とは?仕組みをやさしく整理
2024年から始まった新NISAは、「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の2本立てになりました。
なかでも成長投資枠は、これまでのNISAとは“性格”が大きく違います。
- 年間240万円まで投資可能
- 生涯投資枠は1,200万円(成長投資枠分)
- 非課税期間は無期限
- 売却すれば翌年に枠が復活
この「無期限」と「枠の復活」が、実はとても大きいのです。
たとえば、成長投資枠で200万円分の資産を購入し、将来250万円で売却したとします。
通常の課税口座なら、利益50万円に約20%の税金がかかり、
約10万円が税金で差し引かれます。
しかし新NISAなら、この50万円は非課税。
さらに、売却した200万円分の枠は翌年に復活します。
つまり、
「利益を守りながら、もう一度チャンスを使える制度」なのです。
そしてもうひとつ、大切なポイントがあります。
成長投資枠は、つみたて投資枠のように商品が限定されていません。
個別株、ETF、投資信託――
幅広い商品が対象になります。
つまり――
ゴールド関連の投資信託やETFも対象になるということです。
ここで少し、考えてみてください。
成長投資枠は年間240万円。
もしそのうち10%をゴールドに配分すると、24万円です。
仮に金価格が5年で20%上昇した場合、
24万円 → 約28万8,000円
利益は約4万8,000円。
通常口座なら約9,600円が税金で引かれますが、
新NISAならそのまま手元に残ります。
金は株のように急激に増える資産ではありません。
しかし、「守りの資産」としてじわりと価値を保つ存在です。
非課税・無期限という制度と組み合わさることで、
ゴールドは“心のクッション”として、より活きてきます。
制度を知ることは、数字を知ることではありません。
制度の意味を知ること。
それが、新NISAを味方にする第一歩なのです。
新NISA成長投資枠でゴールドは買える?
結論から言うと、買えます。
ただし、金地金そのもの(現物購入)は対象外。
成長投資枠で購入できるのは、金価格に連動する投資信託やETFです。
ここで少し、背景を整理しておきましょう。
金価格は現在、世界的に高値圏で推移しています。
NY金先物は1トロイオンスあたり2,000ドルを超える水準で推移する場面も多く、
国内の小売価格も1gあたり1万円を超える水準が続いています。
「高いときに買って大丈夫?」
そう感じるのは自然なことです。
でも、金は株のように“業績で伸びる資産”ではありません。
通貨価値が揺らぐときに評価される資産です。
だからこそ、新NISAの“無期限非課税”と相性がいいのです。
SBI証券で買えるゴールド投資信託
代表例:
・SBI・iシェアーズ・ゴールドファンド
このファンドは、金現物価格への連動を目指す投資信託です。
✔ 100円から積立可能
✔ 円建てで購入できる
✔ 成長投資枠で非課税運用OK
たとえば、毎月1万円を5年間積み立てた場合。
1万円 × 12ヶ月 × 5年 = 60万円
仮にその間、金価格が年率3%で上昇したとすると、
単純計算で約69万円前後になります(※価格変動を均した概算)。
差額約9万円。
通常口座なら約20%、約1万8,000円が税金として引かれます。
新NISAならそのまま手元に残る。
金は爆発的に増える資産ではありません。
でも、「静かに積み上げる資産」には向いています。
積立と非課税。この組み合わせが、実はとても合理的なのです。
金ETFという選択肢
東証上場の金ETF(例:1540など)も成長投資枠で購入可能です。
ETFはリアルタイムで売買できるのが特徴。
価格変動に合わせて機動的に動きたい人に向いています。
一方、投資信託は積立がしやすく、心理的負担が少ない。
ここで大切なのは、「どちらが優れているか」ではありません。
あなたが続けられるかどうか。
たとえば、金価格が1年間で10%下落したとします。
ETFで一括購入していた場合、評価額はそのまま10%下がります。
100万円なら90万円です。
でも積立なら、下落中も安く買い続けられる。
平均取得単価が下がることで、回復局面の戻りは早くなります。
金は「守りの資産」。
ならば、攻める買い方よりも、心が揺れにくい買い方を選ぶ方が合理的です。
迷ったら、「積立したいかどうか」で選びましょう。
新NISA成長投資枠で積立はできる?
はい、可能です。
成長投資枠は「一括投資の枠」というイメージを持たれがちですが、
投資信託であれば積立設定ができます。
むしろ、ゴールドのような“価格変動はあるが長期で価値を保ちやすい資産”とは、積立の相性が良いと僕は考えています。
■ 積立設定の流れ(SBI証券の場合)
- NISA口座を開設
- 成長投資枠を選択
- ゴールド投信を検索
- 積立設定を選ぶ
操作自体は、正直とてもシンプルです。
■ なぜ積立が合理的なのか?
少しだけ、数字で考えてみましょう。
たとえば、毎月1万円を10年間積み立てた場合。
1万円 × 12ヶ月 × 10年 = 120万円
仮に金価格が年率3%で推移したとすると、
複利ベースで約139万円前後になります。
差額は約19万円。
通常の課税口座なら約20%、
約3万8,000円が税金として差し引かれます。
新NISAなら、その19万円はまるごと非課税です。
ここが、じわりと効いてきます。
■ 価格が下がったらどうなる?
「でも、今は金価格が高いのでは?」
そう感じる方も多いでしょう。
たしかに、世界的に金価格は歴史的高値圏にあります。
では仮に、積立開始後に価格が20%下落したとします。
一括で120万円投資していた場合、評価額は96万円になります。
でも積立なら、下落中も安く買い続けられる。
価格が戻ったとき、平均取得単価が低いため回復が早いのです。
これは「ドルコスト平均法」と呼ばれる仕組みですが、
難しく考えなくて大丈夫です。
高いときは少なく、安いときは多く買えている。
それが積立の本質です。
■ 積立額はいくらが安心?
僕が証券会社時代にお伝えしていた基準があります。
“下がっても夜眠れる金額にすること”。
一般的には、総資産の5〜15%を金に配分する方が多いです。
もし資産が500万円なら、金は25万〜75万円程度。
これを5年〜10年かけて積み上げるなら、
月5,000円〜1万円前後が自然な水準です。
投資は、頑張るものではありません。
続けられることが、最大のリスク管理です。
「毎月1万円」でもいい。
「まずは5,000円」でもいい。
不安にならない金額こそ、長続きする金額。
金は、増やすためというより、
あなたの資産を静かに守る存在です。
だからこそ、焦らず、少しずつ。
それが、新NISA成長投資枠でゴールドを積み立てる、いちばん賢いやり方だと僕は思います。
新NISA成長投資枠で再投資はどうなる?
まず前提として、ゴールドそのものは配当を生みません。
ただし、金ETFや一部の投資信託では分配金が出る場合があります。
その場合、再投資型を選べば自動的に非課税で再投資されます。
ここで本当に重要なのは、「税金がかからない」という一点ではありません。
複利が、削られずに積み上がること。
■ 再投資の差はどれくらい生まれる?
たとえば、100万円を年率3%で20年間運用できたと仮定します。
複利で運用した場合:
100万円 → 約180万円
利益は約80万円です。
通常口座なら約20%課税され、
約16万円が税金として差し引かれます。
新NISAなら、その16万円もそのまま残る。
年率3%という穏やかな数字でも、
20年という時間が加わると、税金差は決して小さくありません。
再投資とは、「時間を味方につける設計」なのです。
■ 売却すると枠はどうなる?(正しく理解する)
ここは誤解が多い部分なので、正確に整理します。
成長投資枠は年間240万円までです。
1年で300万円分を購入することはできません。
ただし、複数年にわたって積み上げることは可能です。
例:
1年目:240万円投資
2年目:60万円投資
この場合、合計300万円分を投資したことになります。
仮に将来350万円で売却したとしましょう。
・利益50万円は非課税
・そして投資元本300万円分が生涯投資枠として復活します
ただし、ここが重要です。
復活した300万円を、翌年に一度で使えるわけではありません。
年間で使えるのは、あくまで240万円までです。
たとえば翌年は240万円まで投資可能。
残り60万円分は、その翌年以降に使えます。
※利益50万円分が枠として増えるわけではありません。
復活するのは「元本部分のみ」です。
この仕組みを理解しておくと、制度の本質が見えてきます。
新NISAは“使い切り”ではない。
人生の中で、何度も活用できる非課税制度なのです。
ゴールドを成長投資枠に入れる意味
金は配当を生みません。
企業のような成長ストーリーもありません。
では、なぜ持つのか。
通貨の価値が揺らいだとき、歴史的に選ばれてきた資産だからです。
■ データで見る金の役割
世界金協会(World Gold Council)の発表によれば、
2022年の中央銀行による金購入量は1,000トンを超え、過去最高水準となりました。
これは単なるブームではありません。
インフレ、地政学リスク、ドル依存の分散――
国家レベルで「信用の分散」が進んでいるということです。
■ ポートフォリオに入れるとどう変わる?
たとえば、株式100%の資産500万円が年間▲20%下落したとします。
500万円 → 400万円
ここに10%(50万円)の金を組み込んでいた場合。
株式450万円が▲20%で360万円。
金50万円が横ばいと仮定すると、
合計410万円。
下落幅は▲90万円で済みます。
もちろん常にこうなるわけではありません。
ですが、金は株式と値動きの方向が異なる局面が多く、
ポートフォリオの揺れを和らげる役割を果たしてきました。
金は主役ではありません。
暴風の中で船を安定させる“重り”のような存在。
成長投資枠は「攻め」の印象が強いですが、
その一部に“守り”を入れることで、資産全体の持続力は高まります。
利益を最大化することよりも、
長く続けられる設計にすること。
それが、僕がゴールドを成長投資枠に組み込む意味だと考えている理由です。
よくある質問(FAQ)
Q. 新NISAで金ETFは買えますか?
はい、成長投資枠で購入可能です。
ただし、現物の金地金は対象外で、金価格に連動するETFや投資信託が対象になります。年間上限は240万円までです。
Q. ゴールド投信とETFの違いは?
投資信託は積立設定がしやすく、価格を気にせず長期保有したい方向きです。
ETFは株と同じようにリアルタイムで売買できるため、価格タイミングを重視する方に向いています。
「積立を続けたいなら投信」「機動的に売買したいならETF」と考えると分かりやすいでしょう。
Q. 金はどれくらい組み入れるのが適切ですか?
一般的な目安は総資産の5〜15%程度です。
たとえば資産500万円なら、25万〜75万円ほど。
金は“増やす主役”ではなく、“値動きを和らげる脇役”として考えるのが合理的です。
まとめ|金は“心の保険”として持つ
新NISA成長投資枠でゴールドは購入できます。
SBI証券でも積立設定ができ、再投資も非課税で活用できます。
制度を正しく理解すれば、新NISAは「攻め」だけの仕組みではありません。
守りの資産を、非課税で育てられる制度でもあります。
でも、忘れないでほしいことがあります。
「いくら増えるか」よりも「いくら安心できるか」。
金は、大きく跳ねる資産ではありません。
けれど、不安が広がるときに静かに支えてくれる存在です。
焦らなくていい。
少額からでいい。
値動きに振り回されない設計こそ、長く続く資産形成につながります。
数字よりも、心の余裕を残す投資を。
それが、新NISAとゴールドを組み合わせる本当の意味だと、僕は思っています。
【情報ソース】
金融庁 新NISA制度
SBI証券 新NISA特設ページ
World Gold Council

※本記事は情報提供を目的としたものであり、投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

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