NISAでもできる?ゴールド投資|積立で考える「株だけで大丈夫?」という不安

ゴールド投資の始め方

新NISAが始まり、
「結局、何に投資すればいいのか分からない」
そんな声を、最近とてもよく耳にします。

成長投資枠も、つみたて投資枠も、
目に入ってくるのは株式や投資信託の話ばかり。

それ自体は、決して間違いではありません。
長期で資産を育てていくうえで、
株式が大切な役割を果たすのは事実です。

ただ、資産運用の相談を受ける中で、
多くの方が、ふとこんな不安を口にされます。


「株だけで、本当に大丈夫なんでしょうか」

将来のために始めたはずのNISAなのに、
相場のニュースを見るたび、
心が落ち着かなくなってしまう。

もし、少しでも心当たりがあるなら、
それはあなたが慎重で、
将来のことを真剣に考えている証拠です。

この記事では、
NISAという制度の中で考える
ゴールド投資という「もう一つの選択肢」について、
無理に勧めることなく、やさしく整理していきます。

株を否定するのでも、
ゴールドを特別視するのでもありません。

「どうすれば、安心してNISAを続けられるか」
その答えを、一緒に探していきましょう。

ゴールド投資はNISAでできるの?

まず、いちばん大切な点からお伝えします。


現物の金(地金・金貨)は、NISAでは購入できません。

これは、NISAが「金融商品」を対象とした制度であり、
保管や管理が必要な実物資産は、
制度の仕組み上、対象外になっているからです。

ただし、ここで話が終わるわけではありません。


ゴールドETFや、金価格に連動する投資信託であれば、
NISA口座での投資が可能です。

つまり、
「金そのもの」を持つことはできなくても、
金の値動きを資産に取り入れることはできる、ということです。

特に最近は、
成長投資枠の中でゴールドETFを選ぶ人が、
少しずつ増えています。

理由はとてもシンプルです。

NISAの中身が、
株式や株式型投資信託だけになると、
どうしても資産全体が「同じ方向」に動きやすくなります。

たとえば、
株式市場が大きく下落した年には、
NISA口座の評価額も、まとめて下がることがあります。

ここで、
仮に資産の一部に、
株式とは値動きの性質が異なるゴールドが入っていると、
資産全体の揺れは、思った以上に和らぎます。

これは「儲けを増やす」というより、
慌てて売らないための設計に近い考え方です。

「NISA=攻めの制度」というイメージを持たれがちですが、
実はNISAは、
どう攻めて、どう守るかを自分で決められる制度でもあります。

ゴールドをNISAに組み入れる人が増えているのは、
利益を最大化したいからではなく、
安心してNISAを続けたいと感じているから。

その背景には、
制度そのものよりも、
「長く続けるための心の設計」を大切にしたい、
という思いがあるように、僕には感じられます。

ゴールド積立投資枠の考え方

ゴールドは、
一度にまとめて買うより、積立との相性がとても良い資産です。

理由はシンプルで、
ゴールドの価格は、短期的には予測がほぼできないからです。

これは個人投資家だけでなく、
長年市場を見ているプロでも同じです。

実際、金価格は
「上がる理由」も「下がる理由」も、
あとからならいくらでも説明できますが、
事前に当て続けることは非常に難しい。

だからこそ、
ゴールドを考えるときは、

  • 毎月少額で
  • 価格を当てにいかず
  • 時間を味方につける

この3つを意識した「積立」という形が、
いちばん心にやさしい選択になります。

たとえば、
毎月1万円をゴールドに積み立てるとします。

価格が高い月は少ししか買えず、
価格が下がった月は、同じ1万円で多く買える。

この仕組みを10年、20年と続けていくと、
「高値づかみをしてしまった」という感覚は、
自然と薄れていきます。

一方で、
「今が安そうだから」と
100万円を一度に投じた場合、
その直後に価格が下がると、
精神的なダメージはかなり大きくなります。

積立は、
リターンを最大化する方法というより、
判断ミスを小さくするための仕組みだと、
僕は考えています。

なお、新NISAのつみたて投資枠では、
ゴールド商品を直接選べないケースもあります。

その場合は、
成長投資枠を使って、
毎月同じ金額をゴールドETFや投資信託に投じる。

制度上は「成長投資枠」でも、
使い方は積立そのものです。

投資枠はあくまでルールであって、
どう使うかは、あなたの目的次第。

「当てにいかない」
「焦らない」
「続けられる」

この3つを守れる積立こそが、
ゴールド投資の良さを、
一番素直に引き出してくれる方法だと思います。

ゴールドの投資比率はどれくらいがちょうどいい?

相談を受けていて、
本当によく聞かれるのが、
「ゴールドは資産の何%くらい持てばいいですか?」という質問です。

本や専門家の意見を見ると、
全体の5〜15%程度が、ひとつの目安として語られることが多いですね。

この数字自体は、
決して間違いではありません。

ただし、ここで一度立ち止まってほしいのです。

比率は「正解を当てるもの」ではなく、
自分が安心して続けられるかどうかを測るための目安です。

たとえば、
資産が1,000万円あるとします。

そのうち5%、50万円をゴールドに、
残りを株式や投資信託で持っていた場合。

株式市場が大きく下落し、
株の部分が10%値下がりしても、
資産全体では約5%程度の下落で済みます。

一方、ゴールドをまったく持っていない場合、
同じ10%の下落が、そのまま資産全体に響きます。

数字だけを見ると小さな差に感じるかもしれませんが、
この「ワンクッション」があるかどうかで、
心の余裕は大きく変わります。

僕自身が比率を考えるときに大切にしているのは、
「この下落を見て、眠れるかどうか」です。

相場が荒れても、
「まあ、すぐに使うお金じゃないし大丈夫か」
そう思えるなら、その比率は今の自分に合っています。

逆に、
価格を見るたびに不安が強くなるなら、
比率が少し高すぎるか、
あるいは低すぎる可能性もあります。

年齢や家族構成、
これからお金を使うタイミングによって、
ちょうどいい比率は自然と変わっていきます。

若い時期は少なめでもいいですし、
守りを意識し始めたら、
少し厚めにしてもいい。

大切なのは、
他人の数字を真似することではなく、
自分の心が落ち着くラインを知ることです。

ゴールドの比率は、
利益を最大化するための数字ではありません。

投資を、
長く、穏やかに続けるための「支え」になるかどうか。
その視点で考えると、答えは自然と見えてくるはずです。

株だけのNISAが不安な人へ

まず大前提として、
株式投資は、長期で見ればとても優れた資産形成手段です。

世界経済が成長してきた歴史を見ても、
株式が果たしてきた役割は大きく、
NISAの中心に株があるのは、自然なことだと思います。

ただ一方で、
株式にははっきりとした特徴があります。

値動きが大きいということです。

たとえば、
株式中心の資産が1,000万円あったとして、
相場が20%下落すると、評価額は800万円になります。

数字だけ見れば、
「いずれ戻るかもしれない」と頭では理解できます。

でも実際に、
200万円減った画面を目の前にすると、
気持ちはそう簡単についてきません。

ここで、
資産の一部にゴールドが入っていたらどうでしょうか。

仮に、
株式800万円、ゴールド200万円という配分だった場合、
株が20%下がっても、
資産全体の下落は約16%に抑えられます。

数字上の差は4%かもしれません。
でも、この4%は、
「慌てずに済むかどうか」の差でもあります。

ゴールドを組み合わせる目的は、
リターンを大きくすることではありません。

相場が荒れたときでも、
「すぐに使うお金じゃないし、まあ大丈夫か」
そう思える余白をつくることです。

これは、
利益率の話ではなく、
投資を続けられるかどうかの話です。

不安が強くなり、
途中でNISAをやめてしまうくらいなら、
最初から心が落ち着く設計にしておく。

僕はそれを、
とても現実的で、
立派な投資戦略だと思っています。

まとめ

NISAは、非課税で資産を育てるための制度です。
でもそれは、
「できるだけ増やすためだけの制度」という意味ではありません。

本来のNISAは、
人生を通して、安心して資産と付き合うための器でもあります。

株式は、未来の成長を信じて資産を伸ばしていく、
とても大切な柱です。

ただ、値動きがある以上、
不安や迷いが生まれる場面も避けられません。

そんなとき、
資産の一部にゴールドという存在があるだけで、
気持ちは驚くほど落ち着きます。

たとえ相場が大きく動いても、
「ここがあるから大丈夫」
そう思える場所が一つある。

それは、
リターンを押し上げるための工夫ではなく、
途中で投資をやめないための工夫です。

ゴールドは、
大きく主張する資産ではありません。

けれど、
相場が荒れたときほど、
そっと足元を支えてくれる存在です。

株の成長を信じながら、
心の余白としてゴールドを持つ。

数字だけを追いかけるNISAではなく、
自分の気持ちと折り合いをつけながら続けられるNISA。

そんな使い方も、
十分にあっていいのではないでしょうか。

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